3/17 春旅行16日目(東京観光)

おはようございます。今日は1日東京近郊を観光する予定。JRを使わないことも多いので18きっぷは温存します。

といってもどこに行くとかプランはなかった。東京、いろいろありすぎてよくわかんないよね。真っ先に浮かんだのが上野動物園だったのでそこに行くことに。

 

 

この日の夜は、東京で唯一、人と会う約束をしていた。その人と僕の関係性は、言葉で述べるのはすごく難しいんだけど、簡単に言えば中学時代に特別な感情を抱いていた女性の先輩だ。以下、Nさんと記す。「特別な感情」というのが、恋心なのか、憧れなのか、今でもよくわからない。放っておけば自然になくなってしまうような薄い繋がりだけど、中学時代とてもしんどかった僕にとって、Nさんとの交流はすごく煌めいた記憶として残っていた。もう一度会いたい、そう思って2回生の時にSNSで繋がって会った。今回はそれ以来の再会だった。

せっかくの東京なので、月島にもんじゃを食べに行くことにした。土曜は混んでるかもしれないから、予約は取ってあった。

 

正直、心境は複雑だった。Nさんは、自分のことをどう思ってくれてるんだろうか。別にそんな会いたいわけでもないけど来るっていうなら会おうかな、それぐらいだろうか。てか中学時代のほんの短い記憶を、思い出をほじくり返してる自分ってすごく気持ち悪いんじゃないか、そんなことも考えてしまう。

まあでも、会ってくれるというんだから楽しもう。その方向に思考を持っていった。

 

待ち合わせ場所で少し待つとNさんが来た。あ、看護師って結構派手に髪染めていいんだって思った。

お店に入って、生ビールともんじゃを注文。

f:id:Tomox96:20180321172159j:image

店員さん焼くのうま!しかも早!

それからは、もんじゃ食べながら話をした。思ったより会話は弾んだのはビールの力もあっただろうか。僕は大学のこと、Nさんは仕事のことを主に話した。

 

すごく、楽しかった。

 

お酒を飲んで少し顔が赤くなってるNさんは、やっぱりとてもかわいいな、綺麗だなと思った。

 

Nさんが僕にとって特別な人なのは確かだ。じゃないとこんなに薄い繋がりをいつまでも大事にしたりしない。じゃあどんな存在なのか?と聞かれるとこれは難しい。

でも、この人に会えるのなら1年に1回くらい東京に来てもいいな、と思った。それを「好き」というのなら、僕はNさんのことが好きなのだろう。

自分を納得させるための言い訳かもしれないけど、恋人じゃなくて、今の関係性が好きなんだと思う。Nさんは2つ上の先輩で。お姉さんで。僕にとってそんな関係が心地いいんだと思う。

僕はNさんのことをほとんど知らない。知ってるのは看護師だってことくらい。Nさんだって、僕のことをほとんど知らない。それは悲しいことじゃなくて、それはそれでありなんじゃないか、こんな関係もあっていいんじゃないか、と思う。

 

また、僕はNさんに会えるだろうか。
それはわからないけど。でも、僕はきっと、またNさんに会いたいと思うんだろう。それは確かだ。

 

もんじゃの店の回転ははやくて、1時間と少しでもう出ることになった。あっという間だった。もうすこし一緒にいたい、そう思ったけど、僕はNさんをつなぎとめる手段を何も持っていなかった。

 

「じゃあまた…またはあるのかわかんないですけど」また会いたいです、そう言葉にするのが恥ずかしくて、そんなことを言っていい関係なのかもわかんなくて、こんな言葉が出た。
Nさんは笑いながらこう返す。
「また東京に来ることがあったらね」
ここで交わされたのは、約束でもなんでもない、すごく薄い繋がりの確認だった。でもそれで十分だと思った。
そして、Nさんはこう続ける。「私はずっと東京にいるから」
それは、東京で生きていくという決意表明のように聞こえた。仕事はきついし、やめたいなんて何度も思うけど、でも私はここで生きて行くんだと。ここが私の場所なんだと。
彼女は、強い人だ。

 

改札を通って振り返ると、Nさんが手を振ってくれていた。僕も少し手を振り返して、そしてすぐに背を向けて歩き出した。薄い繋がりでも繋がってられたことを嬉しく思いながら。もう少し話をしたかったななんて悔やみながら。また会えたらいいなって夢見ながら。