もっくす、オタ活振り返るってよ

桜咲くたびになぜか 胸の奥があたたまるように
キミは大切なことを 笑顔ひとつ教えてくれるの
幸せは空気のようで つかめなくて近くにあって
どんな毎日もキミと 笑顔ひとつ探して歩こう

ーカラフルスクリーム「幸せの見つけ方」

 

そもそも僕はアイドルが嫌いだった。

アイドルを好きになる前の僕はバンドばかり聞いていた。もちろん今でも聞くが,バンプとかチャットとかアジカンとか。その中でもバンプは特に好きだった。彼らが紡ぐ音と詩は僕の人生に光をくれたと,今でも思っている。

その頃の僕にとって,バンドの対極に位置づけられていたのがアイドルだった。人からもらった歌を歌って,人から教えられた振り付けを踊って,曲ではなく握手券でCDを売る,それのどこがアーティストなんだ,と思っていた。特にAKB系列に関しては相当にひねくれたアンチだったと思う(今でも別に好きではないが)。

そんなアイドルアンチだった僕がどうしてアイドルオタクになってしまったのか。これまで好きになったグループを振り返りながらだらだら書いていこうと思う。

 

ももいろクローバーZ(2012〜)

ももクロとの出会いは偶然見た一本の動画だった。なぜか「なごり雪」が聴きたくなった僕はYouTubeで検索。すると,「ももか なごり雪」という動画がヒットした。もちろんその時点でももか=有安杏果なんてことは知らず,なんだか現代に一番近そうな動画だったのでそれを再生。

うまいとか下手とかそういうんじゃなく,何かを感じた。何かを伝えようと,一生懸命で。僕が好きな「声がしっかり耳に届く」歌だった。僕はその子の歌がもっと聴きたくなって,ネットを検索したらその子がももクロのメンバーだったことを知った。

行くぜっ!怪盗少女」を聞いた。「ピンキージョーンズ」を聞いた。「Z伝説」を聞いた。

ハマるのに時間はかからなかった。

ももクロはとにかく僕の感情を刺激した。彼女たちの「全力さ」が魅力だった。

「逆境こそがチャンスだ」

とか,何度も聞いてきたはずなのに。彼女たちが歌うと,なぜか心に響いた。うまいとか下手とかではなく,眩しかった。

とにかくなんでもいいから,理由なんてなくていいから,元気になれる,笑顔になれる。ももクロはそんなグループだったし,アイドルってそういうものだと僕は今でも思っている。ももクロは,僕にアイドルを応援することの楽しさを教えてくれた大切なグループだ。

Dorothy Little Happy(2013〜)

 2012年の暮れ,ももクロは結成当初からの目標であった紅白出場の夢を叶えた。その頃が僕の中でのももクロフィーバーの頂点だった気がする。「紅白の向こう側」を爆走するももクロを横目に見ながら,僕のももクロへの気持ちはゆっくりとフェードアウトしていった。

そんな時に出会ったのがドロシーだった。

ドロシーは僕にとって本当に特別なグループだ。この記事にもいくつかのグループを挙げているが,ドロシーに対する思いは他とは比べものにならないくらい強い。ドロシーと出会ってから,言ってしまえば僕はずっとドロシーの幻影を探しているようなものなのではないか,ポスト・ドロシーを探してドルオタを続けているのではないか,とも思う。もちろんそんなものはどこにも存在しないのだけど。

僕とドロシーのストーリーについては過去記事に大作があるので詳しくはそちらを。

tomox96.hatenablog.com

上にアイドルはアーティストと呼べないみたいなことを書いたが、ドロシーによってその固定観念は完全に覆された。ドロシーは完全にアーティストだった。曲を提供されるときも、こんな曲が欲しい、ここの歌詞はこう変えてほしい、ここはこんな風に歌うといいのではないか…メンバーから意見を出して曲を作り上げていたそうだ。

ステージ上でも彼女たちの「表現」へのこだわりを強く感じた。表情、指先まで神経が通った繊細なダンス。衣装も黒、紺、白がほとんどで、丈が長めのワンピーススタイル。メンバーカラーを前面に押し出した派手な衣装、ミニスカートというスタイルがほとんどのアイドル界においてそのいでたちは言葉は悪いが異質だった。

だが、だからこそドロシーがこだわりぬいた「表現」が生きた。地味な衣装だからこそ、繊細なダンスが映えた。長めのスカートは、ターンのたびにいつでもくるくると美しく翻っていた。派手な演出も何もないステージでは、パフォーマンスが全てだった。そのパフォーマンスでドロシーは勝負した。そして、着実に歩を進めていた、はずだった。

そんな中に起きた分裂(あえてこの言葉を使う)。誰が悪いのか、はたまた誰も悪くないのか。頭がかち割れそうなくらいの精神状態で迎えた5人最後のライブでの、あの出来事。僕にはどうしても、分裂することは、この5人が自分たちで選んだ道だとは思えなかった。

大好きだったはずの曲も、聞かなくなった。

僕とドロシーのストーリー、第1章はここまで。

ミライスカート(2015~)

 5人ドロシーの最後のライブの前後だったと思う、友人がUNIDOLの関西予選に出るというので見に行った。UNIDOLというのはUniversity Idolの略で、アイドルのコピーダンスサークルに入っている大学生が競い合う大会のことだ。ミラスカはその大会のシークレットゲストとして最後にパフォーマンスを披露していた。もう本編は終わっていたので僕はライブハウスの後ろの方でゆったりとステージを見ていた。だからメンバーの顔とかまではよく見えなかったのだけど、いい曲歌ってるな~と思った。

ミラスカは京都を中心に活動しているグループだ。京都感を前面に押し出していて、自己紹介は「ようおこしやす」から始まる。「はんなりポップ」を謳っていて、僕はきっとその雰囲気に惹かれたのだと思う。どこか懐かしくなるような素朴なアイドルソングが魅力だった。

ドロシーから離れた僕は、ミラスカに通い始めた。ちょうどメジャーデビューの時期と重なっていたこともあって、無銭のリリースイベントが関西各地で行われていた。ミント神戸HMV、ガーデンズなど近くで行われるリリイベを見に行き、定期公演やワンマンにも通った。

ミラスカ以外に興味はなかったからワンマン以外のライブには行ってなかったけど、それでも月に1回くらいはライブに行っていた気がするから、かなり精力的に活動していたんだなと今となっては思う。BIGCATを埋めたり、平日にKYOTO MUSEでライブしたり、観客もかなりの数集めていて、確実に関西アイドルシーンのトップグループに位置していたと思う。

ドロシーは仙台のアイドルだったから、ツアーくらいでしかライブを見ることはできなかった。だから僕は頻繁にライブに通えることがうれしくて、ミラスカにのめりこんでいった。友達も何人か連れて行った。

しかし、2016年の3月にシングルを出してから、ミラスカの活動と歩調が合わなくなった。ミラスカが東京で定期公演を持つようになって、関西での単独ライブがほとんどなくなってしまったことがその理由だ。ライブに行くことはなくなったがミラスカのことは心の隅で応援していたし、また音源をリリースしてほしいなあと思っていた(この頃はミラスカの活動がなんだか滞っているように僕には思えたのだ)。

しかし、その年の秋に推しだったなっちゃん!の卒業が発表された。なっちゃん!最後のワンマンとなった11月のライブに半年ぶりに参戦して、泣いた。

4人だったミラスカのメンバーは、まるでなっちゃん!の卒業がきっかけとなったように、それから半年もしないうちに1人になってしまった。

なんで僕が好きになったグループはこうなってしまうんだろう。呪われてでもいるのか、と思った。

気になっていた、というのは嘘ではない。でも僕はそれっきりミラスカのライブに行くことはなかった。

ミラスカは「会えるアイドル」の魅力を教えてくれた。1人になっても活動の幅を広げ続けているまりちゃんのことは本当に尊敬しているし,今でも、遠くからになってしまったがそっと応援している。

少しの空白、@JAM EXPO2018、そして約束された場所で

 その後の僕は,ミラスカの情報を追いながらも,ちょうど院試や卒論,進学のタイミングだったこともあってアイドルの現場からは足が遠のいていた。しいて言うなら,夢アドに少しハマって聞いていたが,ライブにも行かずファンというほどのものではなかったように思う。しかしまたどこかのグループをしっかり応援したいという気持ちはずっと持っていた。

大学院に進学して最初のGW,博多どんたくで全国からアイドルが集う野外ライブがあった。僕は大学院の友達と一緒にそれを見に行った。久しぶりのライブは楽しかった。夢アドの志田ちゃんと写真を撮った。

福岡のアイドルが集まるフリーライブにも何度か足を運んだ。

そんな中で,フィロソフィーのダンスや福岡のパピマシェにはハマりかけた。けど,完全にハマるところまでいかなかったのも事実だ。

その年の8月,横浜アリーナで行われた@JAM EXPOというアイドルフェスに行った。TIFとかはよくニコ生で見ていたけど,大規模なフェスに足を運んだのは初めてだった。目的は久々にミラスカを見ること,後は,東京の友達に会いに行くついで,旅行のついで,ということも正直あった。

1人になったミラスカを見るのは初めてだった。Beautiful Days,COSMOsSPLASH,鉄則Aライン,ナモナイオト,おねがい…懐かしくて懐かしくて,やっぱりどれもいい曲で,涙が出そうになった。まりちゃんとチェキも撮った。実は初めてだった。福岡からずっと応援してるよ,と伝えた。

他にもいろんなグループを見た。Fullfull Pocketは楽曲もビジュアルも正統派ですごく好みだった。でんぱ組のFuture Diverでは狂ったように踊った。まねきケチャの冗談じゃないねのうりゃおいも楽しすぎた。

そして,最後に見たのが,見てしまったのが,ドロシーだった。

ドロシーを見に行くつもりはなかった。混むだろうと思ってフィナーレの前に帰ろうと思って歩いていたその時,懐かしいメロディーに足が止まった。

ドロシーの「ストーリー」。一番好きな曲だった。

3年ぶりに見るドロシーのステージ。まりちゃんがたった1人で歌っていた。切なさと懐かしさと少しの悲しさと,そして嬉しさで胸がいっぱいになった。

家に帰ってドロシーの曲を聴いた。やっぱり大好きだった。またドロシーのライブに行きたいと思った。

そして,ドロシーとミラスカがカップリングツアーをするという奇跡のようなニュースが飛び込んできた。大阪で行われたツーマンと,ドロシーのワンマンに行った。夢のような時間だった。これまでのライブで一番楽しかった。

僕はもう一度ドロシーに出会うことができた。最後の1人の卒業を間近にして,すんでのところで「大好き」を取り戻すことができて,本当に良かった。

神様がいるのかなんて知らないけど,お前はもう一度ドロシーに出会うべきと,そうやって出会わせてくれたのかもしれないな,と思う。

これが,僕とドロシーのストーリー,第2章だ。今ドロシーは新メンバーになり新たな活動を行なっている。彼女たちには先輩たちが残した素晴らしいパフォーマンスを追いかけて,でも自分らしさを忘れずに,楽しんで活動して行ってほしいと思う。

最後に,カラフルスクリーム(2018~)

@JAMで様々なアイドルに出会ったが,カラスクもその1つだ。でもカラスクはグループとして出ていたわけではなく,新人アイドルかなんかが集う企画の中の1グループとして出演していたに過ぎなかった。しかも,他のグループが直前にキャンセルしたから枠が回ってきたというのだからここでカラスクを見られたのもそこそこミラクルだ。

特にどこのステージを見るか決めておらずふらふらしていたんだと思う,偶然通りかかったステージでカラスクが踊っていた。これだ!とビビッときたわけではない。何を歌っていたのかも今となっては覚えていないが,アイドルらしい正統派の曲に惹かれたのと(結局僕は奇をてらっていないまっすぐなアイドルソングが好きなのだ),僕は「カラフル」という言葉が好きなので,そのネーミングに惹かれたことを覚えている。

YouTubeで動画を漁ったが,さすがに知名度はまだまだ低いらしく再生数も少なかった。ただ,どの曲も可愛く楽しく,それでいて心の奥がじんわりとあったかくなるような,素敵な曲で,僕はすぐに好きになった。

ドロシーのまりちゃんが卒業してから,僕は一気にカラスクにハマっていった。しかし関西を拠点に活動しているグループだったので,ライブに行く機会にはなかなか恵まれなかった。(なんで九州に戻ってきちゃったんだ,と何度思ったことか!)

そして,今年もどんたくがやってきた。福岡にいるとなかなか東京のアイドルを見る機会もなく,様々なアイドルを見ることができるどんたくのフリーライブはずっと心待ちにしていたイベントだった。そして,その出演者になんとカラスクが名を連ねていたのだ。その他の出演者は福岡拠点のアイドルもしくは,東京拠点で夢アドやらアプガやらそこそこ名の売れたグループだった。そこに関西拠点,お世辞にも知名度が高いとは言えないカラスクがいたのである。これはもうどんたく運営にカラスクオタがいたとしか考えられない。とにもかくにもGJである。

そしてどんたく当日。無邪気ガリレオから始まったライブはとにかく楽しかった。遠征したオタクもけっこういたのか,地元でないにもかかわらずそこそこ盛り上がっていたのも嬉しかった。僕の周りにいた人たちはずっとカメラで写真を撮っていた僕が突如立ち上がって踊り始めたので驚いたことだろう…(笑)

物販ではずっと気になっていたさぶろーことさくらこちゃんのところに行った。予想通りおもろい子だった。めちゃめちゃ九州弁でしゃべったろーと思ってたのに結局コテコテの関西弁になってしまうのはなぜだろう…なぜだろう…。話すのが楽し過ぎたので2回も並んでしまった。こんなことは初めて。物販が終わった後もテントの横で暑い〜と休んでいた僕に手を振ってくれた。お土産にめんべいを勧めたらちゃんと買っていてツイッターに写真上げてくれてた。最高かよ。一生推すわ。

ちなみにその後7月にもカラスクは福岡に来てくれたんだけど、その時の特典会で、またさくらこちゃんに並んで。まあ1回しか会ってないしさすがに覚えてないだろと思ったら覚えてくれてた!これは嬉しかった!最高かよ。一生推すわ。

カラスクの魅力は何といってもライブの楽しさだと思う。無邪気ガリレオ、Sing Bird、Innocent Scream…カラスクの曲は一度見ればすぐにサビのフリコピができてしまう。これがもう楽しいのだ。そしてカラスクはただ盛り上がるだけじゃない、「エモい」曲もたくさん持っている。その筆頭ともいうべきなのが、冒頭でも引用した「幸せの見つけ方」。僕もこの曲が一番好きなのだけど、もうまずタイトルがいいよね。探し方でも作り方でもなく、「見つけ方」。探しに行かなくたって幸せはすぐ近くにあるんだよ、と。本当にいい歌です。そういえばドロシーのグループ名も、「小さな幸せに気づくような子たちであってほしい」という願いが込められていたんだっけ。こういうワードに僕は弱いのかも。

ということで当面はカラスクを追っていくことになりそう。さくらこちゃんは福岡にも積極的に来たいと言っていたし(そして実際に頻繁に来てくれている)、このグループがどこまで伸びていくのか楽しみです。今すごく活動の幅が広がっていってると思うし、あとはどこか大きなところで「見つかる」と一気に行くと思うんだけどな。

 

というわけでこれまでのオタ活を振り返ってみました。かる~く書くつもりだったのに6000字越えちゃった。冗長にもほどがあるわ。カモン文才。

結局何が言いたいかっていうと、とにかくアイドルって楽しいんだよってことです。元気になれる、笑顔になれる、理由なんてなんだっていいじゃない、はあー明日も頑張るかって、そういう気持ちにさせてくれるものって、そんな存在ってすごいなって思うんです。これからも、彼女たちに元気をもらって生きていきたいなと思っています。